~ 弐 ~
「失っても失っても 生きていくしかないです」
第2巻 ~お前が~
「鬼殺隊」の隊士を選抜する最終試験に見事に生き残り、隊士の証である特別な刀「日輪刀」を手にした炭治郎は、いよいよ初の任務へと向かう。
三人に分身した上に、壁や地面から自由自在に出入りする特殊な能力を持った「異能の鬼」に当初は苦戦していたが、途中で目を覚ました禰󠄀豆子の予想外の強さに助けられ、辛くもこれを撃破する。
しかし、禰󠄀豆子を鬼に変えた張本人である鬼舞辻 無惨(きぶつじ むざん)については何も聞き出す事ができず、今一度、強い怒りを覚えて次の土地へと向かう。
次なる任地、東京府の雑踏の中で、炭治郎は家族の仇にして「最初・最強の鬼」である鬼舞辻と偶然にも遭遇するが、力だけでなく知略にも長けた鬼舞辻の機転によって、炭治郎は刀を抜く間も無く警察官に取り押さえられそうになる。
そこへ、「幻覚」の術を操る女の鬼が現れて炭治郎の窮地を救ったばかりか、特定の条件を提示した上での協力を申し出る。
禰󠄀豆子を人間に戻す為の貴重なデータに成り得る、その「条件」を快く飲んだ炭治郎であったが、鬼舞辻が差し向けた二人の鬼の強襲に遭い、再度の危機を迎える。
解説と感想
本巻は見応えのあるアクションシーンが多く、一言で「これぞ!」と表すのが難しい、内容の濃い一冊となっています。なにしろ、ストーリーが「選抜試験合格!」→「隊服と刀の支給」→「最初の任務を辛くも達成!!」と順当に流れてきたのに、次にいきなり「ラスボスに遭遇!!!」などと急展開してしまったものですから、「ひょっとして、打ち切りが決定したのでは!?」などと心配になってしまいましたww
そんな中でも、ファンをホッと安心させた1ページは、見事に選抜試験に合格した炭治郎がヨロヨロになりながらも師匠と妹の待つ狭霧山に戻った際、二年もの間、眠り続けていた禰󠄀豆子が目を覚まし、元気よく炭治郎を出迎えたシーンでしょう。
そして、もう一つのヤマ場は、炭治郎が鬼殺隊の剣士である事を察した鬼舞辻が人混みに紛れて逃げようとした際に、たとえ此処で取り逃がそうと、せめて鬼舞辻の心に杭を打ち込んでおくかのように炭治郎が叫んだセリフです。
「地獄の果てまで追いかけて 必ずお前の頸に刃を振るう」
電書版検索
【次巻】鬼滅の刃 第3巻 ~己を鼓舞せよ~
【前巻】鬼滅の刃 第1巻 ~残酷~
ちなみに、本作品の原形となっているのは『第70回 JUMPトレジャー新人漫画賞』で佳作を受賞した「過狩り狩り」(かがりがり)という作品であり、こちらは現在でも少年ジャンプ公式サイトに於いて無料で閲覧する事ができます。※2022年4月現在、無料で読めるのは途中までの「試し読み」形式となっています。
『過狩り狩り』 吾峠呼世晴(24) 福岡
https://www.shueisha.co.jp/books/reader/main.php?cid=9784088820842
当初の敵は「鬼」というよりも、どちらかと言えば「吸血鬼」に近い設定だった様子ですが、太い線と細い線を効果的に使い分けた独特の絵柄は、現在まで継承されています。
『過狩り狩り』 吾峠呼世晴(24) 福岡
https://www.shueisha.co.jp/books/reader/main.php?cid=9784088820842
当初の敵は「鬼」というよりも、どちらかと言えば「吸血鬼」に近い設定だった様子ですが、太い線と細い線を効果的に使い分けた独特の絵柄は、現在まで継承されています。