アンダーニンジャ 第2巻-あらすじ&感想-

アンダーニンジャ 第2巻-あらすじ&感想-

通り魔事件を起こしてまで自分の存在をアピールしていた外国人テロリストが、遂に念願叶って日本の忍者と接触するが…



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「あ あんたさぁ アレだろ 忍者だろ?」

【前巻まで】一族の栄光も今は昔。伝説の忍者「雲隠一族」の末裔である九郎は、仕事の斡旋を受けられずにボロアパートで暇を持て余していた。そんなある日、突如として九郎の元に最新鋭の装備である「摩利支天4.0」が届けられる。時を同じくして、外国人の仕業と思われる「局部切断通り魔事件」が起き、九郎は犯人の撃退を命じられる。

第2巻 あらすじ

伝説の忍者「雲隠れ一族」の末裔である九郎は、高校への潜入任務に際して最新式の迷彩装備である「摩利支天4.0」を受領し、三日後に予定されている転入試験に備えて待機していた。

しかし、それに割り込む形で、近隣で起きた通り魔事件の犯人であると目される外国人テロリストの撃退をも命じられており、偶然に知り合った近所の高校生を通じて、周囲に潜伏しているであろうテロリストの捜索を進めていた。

その一方で、九郎にテロリストの撃退を命じた本人である中忍・加藤は、本来であれば忍者組織の中核を担う立場である筈の自分に、何故か重要な情報が知らされずにいる事に不満を募らせていた。

忍者との接触を急ぐ、少しズレた外国人テロリスト、
冷静に状況を見極め、確実に功績を上げんとする九郎、
不満を募らせながらも、日常の任務を粛々と遂行する加藤、
そして、加藤の元・上司であり、普段は浮浪者を装っている謎の中年男性…

四者四様の思惑が、同じ街の中で錯綜する。

解説と感想

さぁ、いよいよ、お待ちかねの戦闘シーンが本巻で初お披露目となります!!

が…
拙者
い、意外と地味かも
どういう事かと言いますと…例えば、一連の「刃牙」シリーズなどは、まるで読者の心をコマの中に引きずり込まんばかりの躍動感溢れる描写が絶対的な特徴ですが、本作品は人間同士の戦闘に於ける一連の動きを「コマ送り」のような描き方で(背景との対比も含めて)、実際に人間に出来そうな範囲内の動作に収めているのが特徴です。

人間の動きの描写がダイナミックになればなるほど、後で冷静になった時に「まぁ、実際には出来ないよなww」と思ってしまう事は少なくありませんが、本作品では徹底してアクションシーンを「実際に出来そうな範囲」に収め、忍者が暗躍する社会に対する読後の違和感を払拭する事に成功しています。

この、アンダーニンジャの世界観を一言で表すなら、
「過去、最も違和感の少ない並行世界」であると言えるでしょう。

ちなみに、ワタクシ個人が最も面白いと感じたのは…
拙者
忍者界隈でも中間管理職は大変なんだなぁ…
という点です。

後々、明らかになりますが、忍者組織も大企業や官公庁と同様に人間の集まりである事に変わりはなく、その上層部には自己の保身しか考えていない”老害”が実に多く居座っています。

まさに、「呪術廻戦」の五条が言うところの「保身馬鹿、世襲馬鹿、ただの馬鹿、腐ったミカンのバーゲンセール」の状態ですww

我々の現実世界に於いても、多くの企業や省庁、あるいは自治体などが辛うじて機能しているのは、本作の加藤のように有能でストイックな中間管理職の、地道な努力のお陰なのかもしれませんね。

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