~ Tokyo Ghoul returning with the great betrayal ~



「僕を…”お兄ちゃん”だと思える?」

 本記事は「東京喰種:re」(トーキョーグール アールイー)の原作漫画第4巻の解説と感想(若干のネタバレを含む)です。

掲載:週刊ヤングジャンプ
著者:

第4巻 あらすじ

表紙:月山 習
【収録】
第31.5話「主と」
第32話「喰い足る」
第33話「抱く書」
第34話「良い形」
第35話「依存」
第36話「ふと」
第37話「屍秘」
第38話「あるM」
第39話「深浅」
第40話「網羅」
第41話「fのエース」

「オークション掃討戦」で功績を上げた佐々木らクインクス班は、次なる任務である「ロゼヴァルト家関連勢力捜査」の為に、宇井 郡(こおり)特等捜査官が率いるS1班に編入された。

同じくS1班に編入されたキジマ 式(しき)準特等捜査官が率いるキジマ班は、高い戦闘能力でロゼヴァルト家の者と思われる喰種を捕え、その尋問の様子を動画として公開する事によって挑発を試みる。

一方、ロゼヴァルト家の生き残りであるカナエ=フォン・ロゼヴァルトは、現在の主人である月山 習(しゅう)が、喰種捜査官である佐々木に対して並々ならぬ執着を抱いている事に嫉妬するも、習の友人である堀 ちえの助言に従って、佐々木と習の接触に付き添う。

しかし、常にクインクス班と共に行動している佐々木とは、なかなか単独で接触する機会が無く、その事で落胆している習を見兼ねたカナエは、独断で「アオギリの樹」のメンバーにクインクス班四名の抹殺を依頼する。
前回の「オークション掃討戦」から確実に成長したクインクス班の面々は、細かなミスはあったものの、カナエが差し向けた「アオギリの樹」のメンバーを撃退し、カナエ自身も深手を負って退却を余儀なくされた。

解説と感想

皆さん、本巻では遂に鈴屋 什造の特等昇進シーンが拝めます!!

前作に於いて、隻眼の梟(娘)に完膚なきまでの大敗を喫したヤンチャ坊主(?)が和修局長から辞令を賜るこのシーンは、ワタクシはもちろんの事、この日を待ち侘びていた鈴屋推しのファンにとっては感涙垂涎の一コマでしょう。

ただし、本人は「あっそ」という顔をしていますがww

昇進パーティーが終わると、場面はサラッと変わって本巻の表紙を飾る「イカレたグルメ野郎」にスポットライトが当たります。
個人的には、月山 習の見せ場は前作で終わったと思っていたので、ここで大きく取り上げられるのは少し不自然な感じがしなくもありませんでした。

しかし、前巻のオークション掃討戦で彼のパパや執事たちがオークションの客として既に登場していますので、本作に於ける話の流れとしては至極自然です。

この作者が常套的に使う手法の一つに「Aを大きくクローズアップする前振りとして、先にBを取り上げておく」というのがありまして、例えば前作で隻眼の梟(父)をやっとの思いで倒したと思ったら、更にデカい図体した娘がズドンと現れた時の、あの絶望感たるや…

ひょっとしたら、本巻で「カネキくん」と再会した月山がハッスルしている間に、ニヤニヤしながら盤上の駒を動かしている者が居るのかもしれません。

さて、本巻では何名かの新キャラが登場しており、それはそれで各々が良い味を出していて、今後の活躍が期待されるワケですが…

しかし、しかしですよ…
最後の最後に、やってくれました…

ローブを着た大男」が、米林 才子のピンチを救うんですけどね…
その後ろ姿が「どこかで見た覚えがある大男」なんですよ(°Д°;)

本巻では、改めてこの作品の「表と裏」を意識する事になるでしょう。

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