~ Tokyo Ghoul returning with the great betrayal ~



「早くしろ 腹減ってんだ」

 本記事は「東京喰種:re」(トーキョーグール アールイー)の原作漫画第3巻の解説と感想(若干のネタバレを含む)です。

掲載:週刊ヤングジャンプ
著者:

第3巻 あらすじ

表紙:オウル
【収録】
第21話「選る」
第22話「謬徒」
第23話「梨酒」
第24話「撫気」
第25話「令」
第26話「あ」
第27話「呼居」
第28話「場乱す」
第29話「栖求」
第30話「凍る」
第31話「ビュート」
番外編「JOKER」

混迷を極める「人間オークション掃討戦」は、多大な犠牲を払いながらも数で圧倒するCCG側が、やや有利に戦局を進めていた。

囚われた六月と合流する事に成功した佐々木らクインクス班は、疲労困憊の六月に退却を指示し、瓜江 久生(うりえ くき)二等捜査官がこれに付き添う形となったが、戦功を上げんと焦る瓜江の誘導によって、オークションに客として参加していた喰種の集団に遭遇する。

六月、瓜江と別れた残りのクインクス班は、ナッツクラッカーによって管理棟の外へ投げ飛ばされた林村 一等捜査官と合流するが、その刹那、行方不明とされていた「あの男」が佐々木の背後から強襲を仕掛ける。

和修準特等は佐々木に単独での応戦を指示し、林村一等、不知 吟士(しらず ぎんし)二等捜査官、米林 才子 三等捜査官の三名は再度、ナッツクラッカーが陣取る管理棟へ向かう。

一方、班員の到着によって自らのクインケ「ジェイソン」を手にした鈴屋は、瀕死の六月と瓜江を救い、因縁深き相手「ビッグマダム」の駆逐に成功する。

「あの男」の強力な攻撃によって終始、翻弄されていた佐々木であったが、間に割って入った「あの女の子」に救われる形となり、九死に一生を得る。

他の作戦に参加していた有馬特等とS3班の到着によって「あの男」は退却し、この凄惨な戦いに幕が下ろされた。

解説と感想

はい、前作の最終巻で人間側と喰種側、共に行方が分からなくなっている者が何人か居たと思いますが、その中の一人である「あの男」が、実に気持ちの悪い方向にパワーアップして帰ってまいりました!

そうです、表紙の男ですww

ですが、正直申し上げて…
この男が誰なのか、最初は全く分かりませんでした。
それぐらい、前作に於いてはモブ寄りのキャラだったので。

この辺りが、作者である石田スイ氏が他の作家とは一線を画している部分であると言いますか、登場するキャラクター一人一人に対して「順当な扱いをしない」という特色があるかと思います。
いかにも意味あり気に登場した奴がアッサリやられて退場したかと思えば、最初はモブだと思っていた奴が後々に重要な立ち位置で再登場したり…

「Aという仮定を設けて推理すると、もう一つの伏線であるBと矛盾してしまう」
そして、考察はグルグルと堂々巡りを繰り返す…
それが、この東京喰種という作品であります。

そんなワケで、本巻最大の見どころにして唯一の救いがある場面は、「あの男」の苛烈なる攻撃を「あの女の子」が見事に防ぎ切り、ハイセを救ったシーンです。

番外編「JOKER」について

本巻の最後に収録された番外編「JOKER」は、週刊少年ジャンプ2014年31号に「出張掲載」された読み切りです。


ヤモリ亡き後、それまでの「白スーツ」に代わって13区で台頭し始めた喰種集団「スカルマスク」を追う上等捜査官時代の鈴屋 什造と、本編で初登場となる鈴谷の部下、阿原 半兵衛(あばら はんべえ)二等捜査官の活躍が描かれています。

特に、それまで「白髪」であった鈴谷が本編では「黒髪」で描かれており、その変化が何によってもたらされたのか、ファンの間で大いに議論を呼んだ作品です。

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