◎~ 一 ~◎
「人間の…指…?」
【前巻まで】稀代の呪詛師、夏油 傑(げとう すぐる)による人類転覆計画は、同じく稀代の天才呪術師、乙骨 憂太(おっこつ ゆうた)の手によって阻止された。それから一年。
第1巻 ~両面宿儺~
オカルト研究会に所属していた東北地方の高校生、虎杖 悠仁(いたどり ゆうじ)は、学校の敷地内に在る百葉箱の中に安置されていた、呪符に包まれた「呪物」を発見する。その呪物とは、伝説の呪術師であり「鬼神」とまで呼ばれた「両面宿儺」(りょうめんすくな)の遺骸の「指」がミイラ化した物であり、そこから漏れ出た呪力が呪霊を引き寄せて、校内は呪霊の溜まり場と化しつつあった。
「特級呪物である宿儺の指を回収せよ」との任を受け、派遣されていた東京都立呪術高等専門学校の一年生、伏黒 恵(ふしぐろ めぐみ)は、虎杖に接触して宿儺の指を渡すように要請する。
しかし、虎杖は「外箱」しか所持しておらず、肝心の中身は虎杖の友人であるオカルト研究会のメンバーが保管しており、夜半に学校に集合して指の外側に巻き付けてあった呪符を剥がす予定である事を打ち明けられた。
事の重大さを今一つ認識できないままに伏黒と共に学校に向かった虎杖であったが、呪霊が指を所持している友人を体内に取り込もうとする場面を目の当たりにし、躊躇せずに救出を敢行する。
なんとか友人を救出する事に成功したものの、その場に群がっていた別の呪霊の攻撃を受けて、校舎の外まで吹き飛ばされる伏黒。
自分に「呪力」さえあれば呪霊と対等に戦えると判断した虎杖は、伏黒の静止を振り切って宿儺の指を飲み込んでしまう。
解説と感想
さて、前巻である第0巻は、週間少年ジャンプに現在連載中の「呪術廻戦」の主人公である虎杖 悠仁(いたどり ゆうじ)が、呪術高専に入学する「前年」のエピソードを単行本化したものでしたね。この第1巻では、前巻の主人公であった乙骨 憂太(おっこつ ゆうた)と、そのクラスメートであった狗巻 棘(いぬまき とげ)、禪院 真希(ぜんいん まき)、そしてパンダ(!)は二年生に進級しており、とりあえずは登場しません。
ただし、「当代最強の呪術師」である五条 悟(ごじょう さとる)は引き続き一年生を担任しており、本巻では「呪術」や「呪力」「呪いの等級」などの基本的な定義について、前巻より詳しく解説が為されています。
また、前巻の主人公であった乙骨は言わば「天才」であり、呪力をコントロールする要領さえ飲み込んだら、後は天井知らずに成長していったのに対し、本巻からの主人公である虎杖は、「伝説の鬼神」とまで呼ばれた怪物呪術師である「宿儺」が後世に遺した呪物(指)の「器」であり、そう簡単には呪力をコントロールさせてはもらえない様子です。
さて、個人的な感想を申し上げると…
相変わらず五条はウルサイ\(`Д´ #)!!
という事とww 後は、やはり、宿儺という存在はよく解らない…という事でしょうか。
五条いわく「千年以上前に実在した人間」であると同時に、「腕が四本、顔が二つ」あったという事ですが、それも自らの呪術で「変身」した結果なのか??
それとも、宿儺自身、他者の呪力や呪物を取り込む形で、その姿に成り果てたのか??
また、自らの死後も計20本の指に呪力を凝縮した上で死蝋(ミイラ)化したという事ですが、その指が「器」である虎杖の肉体の中に納まった今や、宿儺の存在は「呪霊」なのか??
それとも、呪力そのものに人間時代の記憶や精神が記録された、「半人半呪」とでも呼ぶべき存在なのか??
「鬼滅の刃」「約束のネバーランド」「ハイキュー」といった看板作品が次々と連載終了を迎えた今(2020年7月現在)、この呪術廻戦という作品は、ジャンプの中核を担っていく存在となりそうです。
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【次巻】呪術廻戦 第2巻 ~呪胎戴天~
【前巻】呪術廻戦 第0巻 ~眩しい闇~