呪術廻戦 第2巻-あらすじ&感想-

呪術廻戦 第2巻-あらすじ&感想-

呪術高専への入学を許可された虎杖は、同じ一年生の伏黒、釘崎と共に呪霊に占拠された少年院に潜入を試みるが、そこは桁違いに呪力差が離れた「特級」の巣となっていた!


◎~ ~◎

「アンタ 仲間が死ぬの初めて?」

【前巻まで】伝説の鬼神、両面宿儺(りょうめんすくな)の遺骸の「指」から溢れる莫大なる呪力を取り込む「器」として拘束された虎杖 悠仁(いたどり ゆうじ)は、指を全て回収した後に処刑される事を条件に釈放され、東京都立呪術高等専門学校への入学を許可される。担任である五条 悟(ごじょう さとる)の指導と、同じ一年生である伏黒、新たに入学した釘崎 野薔薇(くぎさき のばら)といった仲間のバックアップを受け、順風に漕ぎ出したかのように見えたが…

第2巻 ~呪胎戴天~


呪術廻戦 第2巻
掲載週間少年ジャンプ
著者
評価★★★☆☆
短時間で急成長した呪霊に占拠された少年院に潜入し、生存者を救出する任務を課された虎杖たち一年生は、建物内に踏み込んだ途端に呪霊の「生得領域」に取り込まれて容易には脱出できない状況に追い込まれる。

それでも、収監されていた少年たちの遺体を発見した虎杖は何とかしてそれを運び出そうとするが、救助方針の違う伏黒に強く制止され、二人は対立する。

しかし、その数秒後に釘崎の姿が突如として消え去り、虎杖と伏黒の背後には未だかつて出会った事の無い、「恐怖そのもの」とでも呼ぶべき特級呪霊が立っていた。

戦っても勝てない事を悟った虎杖は、伏黒を逃がした上で自分の中の宿儺に協力を要請し、強制的に肉体の操作権を預けるが、「呪いの王」とまで呼ばれた宿儺が虎杖の要請を快く了承する筈もなく、特級呪霊を圧倒して始末した上で伏黒に追い付き、攻撃の矛先を向ける。

虎杖の意識が戻って再び交代するまで、伏黒が時間を稼ごうとするのを先読みしていた宿儺は、虎杖の肉体の胸に穴を空けて心臓を取り出し、この状態で虎杖の意識が戻れば、それは当然、死を意味すると脅迫する。

しかし、鬼神とまで呼ばれた伝説の術師ではあっても、虎杖の肉体を借りている以上は全力を発揮する事は無く、むしろ心臓を欠いた状態であれば付け入る隙があると判断した伏黒は、「やはり、心臓が無くては勝てないか」と宿儺に思わせ、呪力によって心臓を修復させる事を目論む。

解説と感想

さて、相変わらず虎杖と宿儺の関係性と言いますか、特に、宿儺が虎杖の肉体を借りた状態でどこまで本来の力を引き出せるのかは未知数のままですが、本巻で一つ明確になった事は「宿儺は自分自身の快感、不快感だけが物事の判断基準であり、人間、呪霊を問わず頼ったり媚びたりする事は無い」という事であります。

そりゃまぁ、「伝説の鬼神」ですからねぇ(・ω・`;)

そして、もう一つ明らかになった事は、伏黒は他人を助ける際の優先順位や方法論こそ虎杖とは異なるものの、その根底にはちゃんと、諦めない不屈の精神があるという事です。

虎杖が後先を考えずに突っ走っていく直情的なタイプであるのに対して、伏黒は努めて論理的に状況を分析し、最適な対処で確実に勝ちに行こうとするタイプなんですね。同じく少年ジャンプ掲載作品である「ハイキュー!!」の、日向と影山の関係にも同じ事が言えるでしょうか。

ただし、この呪術廻戦という作品に限って言うと…
ここまでの登場人物、ほとんど全てが「生い立ちに訳アリ」なんですよね(・ω・`;)
(なにしろ、パンダまで居る始末ですから…)

「普通に生まれ、普通に育った人間が選ぶ事の無い職業」

それが呪術師であり、その養成機関である呪術高等専門学校は、

「おまえらはもう、この世界に生き、この世界で死ぬしかないんじゃ、分かっとるのぅ?」

と、ヤクザ組織さながらに覚悟を強いる場所であると…そんな気がしてきました。

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