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「行ったら殺されますよ」
「行ったら殺されますよ」
【前巻まで】自分の人生にすっかり絶望していた架橋 明日(かけはし みらい)は、中学校を卒業したその日にビルの屋上から身を投げる。しかし、まるで絵画から飛び出して来たかのような美しい天使「ナッセ」が現れ、「私は明日くんを幸せにしに来た」と告げる。半信半疑の明日に、ナッセは空を飛ぶための「翼」と、他人を自分の虜に出来る「赤の矢」、そして人を即座に死に至らしめる「白の矢」を手渡す。
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掲載:ジャンプSQ.
著者:原作:大場つぐみ 作画:小畑健
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第2巻 あらすじ
特級天使ナッセと出会う事で生きる気力を取り戻した架橋は、「神候補」という役割については今一つ受け入れられない心境でありながらも、かねてから恋心を抱いていた花籠 咲(はなかご さき)と同じ高校に進学して新たなスタートを切ろうとする。
しかし、咲もまた神候補として2級天使ルベルに選ばれており、他の神候補を発見したら背後から「赤の矢」を刺すようにルベルから指示されていた咲は、誰とは気付かずに架橋に赤の矢を刺す。
ルベルは「翼」を持たない咲の為に、架橋を「翼役」として利用する算段でいたが、そこに戻って来たナッセに目論見を看破され、改めて対等に手を組む事で合意する。
その一方で、特級天使メイザに選ばれた謎の男は、テレビの特撮ヒーロー「メトロポリマン」のアクタースーツに身を包み、リアルメトロポリマン(?)として犯罪者を検挙するなどして、当初は社会からの信頼を得ていた。
だが、その真の目的は他の神候補を全て殺した上で自分が神と成る事であり、テレビを通して他の神候補たちに一斉に結集するように呼び掛ける。
解説と感想
はい、本2巻の表紙に描かれている天使こそが、主人公の架橋に再び生きる希望を与えた特級天使のナッセであります。特級には「特級たる所以」というのがありまして、ナッセの場合は「純粋」(ピュア)を司っています。天使にも性格や能力の個体差があって、それぞれの思惑や信念に従って応援する人間を決めているところが、本作品の一番面白い要素になっています。
しかし、それと同時に、この時点で最も腑に落ちない部分が「神候補」という概念(というか役割)です。既に1巻でナッセが架橋に少し説明していますが、今回、天使たちが応援する人間を選ぶ基準として共通しているのが「生きる希望を失った者」です。
1巻冒頭での架橋が、まさにその状態であったように、基本的には他の天使たちも各々が生きる希望を失った人間たちの前に現れて、行動の自由を得る為の翼や、他者に自分を受け入れてもらう為の赤の矢を授けるワケですが…
それを受け取ったが最後、「次の神」の候補として、他の候補たちと協議するなり戦うなりしなければなりません。
コレ、単純に…
…って、思いませんか??
翼と矢を与えられた者は、何故、強制的に「次の神」を目指さなければならないのか…現時点では、その理由に関して整合性のある説明は(いずれの天使の口からも)為されていません。
もちろん、本誌連載を追っていた方であれば、後々に「あぁ、確かに世の中を〇〇するには、神にならないとダメだよね」と、それなりに納得できる部分もあったとは思います。
しかし、本2巻の時点では「一人だけ暴走してる候補がいるので、とにかく仲間を集めて皆で止めよう」という、差し迫った勢いだけで話が進行していきますので、とりあえずは「天使と人間の、感覚のズレ具合」に苦笑しつつ、次の3巻を手に取って下さい。
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