”ストーリーホラー
、帰還

うしおととら
からくりサーカス

この二大ヒット作に
今更の説明は不要でしょう

しかし…

その二大作品で我々を
恐怖のドン底に叩き落とし
そこから這い上がる勇気を
問い続けてきた作者が今再び
ニタニタと笑いながら…

惨劇の幕を開けたのです

ほら、聞こえてくるでしょう??

双亡亭壊すべし!」、と…

掲載:週間少年サンデー


そうぼうていこわすべし

壊すべきは何ぞ

壊すべきは何ぞ

第一巻 あらすじ

そうぼうていこわすべし 1

「ぎゃら ぎゃら ぎゃら ぎゃら ぎゃら ぎゃら」

東京の街中に、異様な雰囲気を放ちながら傲然と門を構える屋敷があった。
其処はかつて、精神の異常が疑われた芸術家の住まいであったが、その没後も取り壊される事は無く、いわゆる「幽霊屋敷」として地域住民から嫌厭の対象となっていた。

その屋敷の隣のアパートに住む売れない絵描き、凧葉 務(たこは つとむ)は、ある日、屋敷が建つ敷地の一角に引っ越してきたという少年、立木 緑朗(たちき ろくろう)と知り合うが、お互いに親交を温める間も無く、務は火災で燃え盛る家から救急車へと運ばれる緑朗の姿を目撃する。

その数分後、地域住民に対して何らの説明もなく突如として開始される、自衛隊機による「屋敷」への空爆。
その時のパイロットの交信記録が後にマスコミによって広められ、日本国民総てが、その屋敷の名前を知ることとなる。

「目標 地上家屋 通称<双亡亭>」

解説と感想


えーとですねぇ…
もう、何と言いますか…

とにかく、一巻目からメチャクチャですww

確かに「うしおととら」「からくりサーカス」の二大作品は、共に終盤の見せ場はこれ以上無いぐらいにダイナミックでしたが、むしろ序盤は一話一話の起承転結がテンポよく、分かりやすく描かれており、それはあたかも、中盤からの状況の激変に対する心構えを作る為の「執行猶予」の時間だったのではないかとも思われました。

しかし、この作品では、いきなり終盤クラスの大事件が複数のキャラクターの視点で同時進行的に描かれており、ハッキリ言って、この一巻を読む限りでは誰か主人公なのかさえ判然としません。

私には、これが作者からの「挑戦状」に思えてならないのです。
即ち、我々読者に対して「これぐらい、もう付いて来れるよね?」と、「藤田劇場」に於ける流儀を理解した者と、そうでない者とを篩(ふるい)に掛けようとしているのではないか、という事です。

「藤田劇場に於ける流儀」とは何か??

それはもう、冒頭で申し上げた通りです…
人間の心の弱さに付け入る圧倒的な悪意と恐怖、そして、それを乗り越えんとする「歯がカチカチと鳴る程」の覚悟と勇気です。

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