呪術廻戦 第8巻-あらすじ&感想-

呪術廻戦 第8巻-あらすじ&感想-

最強と呼ばれた術師は過去に一度、「天才である事をひけらかしたツケ」を支払っていた。


◎~ ~◎

「頼むぜ ”術師殺し”」

【前巻まで】”宿儺の指”を取り込んで力を得た特級呪霊と、高専から強奪された呪胎九相図の受肉体である壊相(えそう)と血塗(けちず)をそれぞれ各個撃破した伏黒、虎杖、釘崎の三名は、精神的な課題を残しながらもなお、己の確かな成長を感じていた。

第8巻 ~懐玉~


呪術廻戦 第8巻
掲載週間少年ジャンプ
著者
評価★★★★★
時を遡り、五条 悟と夏油 傑が「最強コンビ」として名を轟かせていた現役の高専生時代。高専の地下にて東京の基底結界を張っている、”不死”の術師である天元(てんげん)の肉体機能刷新の為、二人は新たな依り代となる”星漿体”(せいしょうたい)の護衛を命じられる。

”星漿体”の候補である中学生の少女、天内 理子(あまない りこ)は二つの集団から命を狙われていた。一つは、天元と星漿体の同化を阻止して天元の暴走、もしくは弱体化を図り、呪術界の転覆を目論む呪詛師集団「Q」(キュー)。

そして、もう一つは天元本人を神格化し、崇拝する宗教団体「盤星教」(ばんせいきょう)。

天内が中学生であるが故に、その精神的未熟さからくるコミュニケーション難もあったものの、五条と夏油は呪詛師集団「Q」を壊滅。「盤星教」の信者が天内の世話役である黒井 美里(くろい みさと)を拉致するも、これを奪還して護衛任務は完了したかのように見えた。

しかし、五条にとって”天敵”と呼ぶべき恐ろしい刺客の存在を、五条本人はもちろん、バディである夏油も認知していなかった。高専内部の結界をスリ抜けて音も無く忍び寄った暴虐なる刺客は、「数百年に一人の天才」の背中に深々と凶刃を突き立てた。

解説と感想

本8巻と次9巻は、ワタクシが呪術廻戦の中で最も強くオススメする単行本となります!!

上記、あらすじでも既に述べた通り、本巻は五条と夏油の高専生時代を回想する構成になっているワケですが…「0巻」を既に読まれた方であれば、当然、「あれっ??夏油って結局、敵になったんだよね??」と思われる事でしょう。

\その通りです/
m9(`・ω・´)ドーン

最終的に、夏油が”闇堕ち”して高専から離脱する姿が描かれるのは次9巻となりますが、それを際立たせる前振りとして、そもそも夏油は”仏”のような性格をしており、才能をひけらかして先走りする五条を諫める場面が多く描かれています。

本8巻を読んだ限りで、次の巻でまさか夏油が呪詛師に成り果てる姿を想像できた人は、一人も居ないのではないでしょうか?それぐらい、これでもかというぐらい、本巻での夏油は「仲間想いの善良なる術師」なんですよ。

個人的には、むしろ「天才」であったはずの五条に対して、
拙者
夏油の内面に蓄積していた葛藤に気付かなかったの??
本当に数百年に一人の天才なの??
と、言ってやりたいですね!!

で、本巻のラスト2P目に、その「色々と残念だった過去の五条」の背中を、刀が深々と貫くシーンが描かれているワケなんですが…

誰にも気付かれずに音も無く忍び寄り、そんな芸当を遂行できるのは、一体、誰なのか??

先に答えを言ってしまうと「表紙に描かれている男」なんですが、コイツは既に登場している、皆さんもよく知っているアイツの”実の父親”なんですよね…結局のところ、その父親というのも別の意味での数百年に一人の天才であった事が、少し後になってから判明します。

いわば、これは「天才vs.天才」の戦いであったワケですが、天才にまでは至れなかった「秀才」である夏油の心は、この時既にヒビ割れ始めていたのではないかと思います。

五条と夏油、それぞれのファンの方は是非とも本8巻と次9巻を読んでから、もう一度、0巻を読み直してみて下さい。「全く違う背景」が見えますから!

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