~ 拾弐 ~
「柱の時間と 君たちの時間は 全く価値が違う」
第12巻 ~上弦集結~
「上弦の陸」である妓夫太郎、堕姫兄妹との苛烈を極める戦いの後、意識不明の重体のまま眠り続けた炭治郎は、目覚めた時に刃毀れした自分の日輪刀が打ち直されていない事に気づき「刀鍛冶の里」に直接確認しに行く事を願い出る。
里に着いた炭治郎は自分の担当鍛冶師である鋼鐵塚 蛍(はがねづか ほたる)の行方が分からなくなっている事を知らされ、その捜索の間、里に滞在する事となる。
刀鍛冶の里には炭治郎以外にも「恋柱」である甘露寺 蜜璃(かんろじ みつり)、「霞柱」である時透 無一郎(ときとう むいちろう)、そして炭治郎の同期である不死川 玄弥(しなずがわ げんや)などが滞在していたが、時透が目的としていた機械人形を利用しての戦闘訓練を、炭治郎も受けるように促される。
その訓練によって敵の攻撃動作を予知する能力を体得した炭治郎であったが、一夜明けずして刀鍛冶の里は二体の上弦の鬼による強襲を受ける事となる。
解説と感想
激しい戦いの後の暫しの休息…というワケにはいかず、なんと担当鍛冶師が行方不明となるトラブルに見舞われた炭治郎(°Д°;)ポカーンここ十年ほどのジャンプ漫画の傾向として「激しい戦いの後の、ちょっとした探し物」の回を挟むのは、物語に横幅を持たせる意味ではむしろ必須になってきている感があります。
ただし、この作品の特色として、主人公が直接戦っていない間でも常に「黒い霧が覆っているようなイヤな感じ」がするのは、当然の事ですが、その間にも「他の誰か」が戦っているからであり、同様の重圧は「D.Gray-man」の連載当時にも感じたものです。我々読者の心理として「主人公さえ無事なら良い」というワケにはいきません。
両作品に共通するのは「人間をゴミとしか思っていない相手の行動を読む事の難しさ」であり、主人公が怪我の療養をしている間にも「悪の意志」は着々と計画を実行に移しているワケです。
本巻では、新たに甘露寺 蜜璃と時透 無一郎という二人の「柱」との接触が描かれますが、まぁ、大して喜ばしい内容ではなく終始「嫌な予感」しかしません。
そして、予想通り…連載開始以来「最も気持ち悪い奴ら」が炭治郎を襲います!
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