呪術廻戦 第5巻-あらすじ&感想-

呪術廻戦 第5巻-あらすじ&感想-

同じ呪術師??志を同じくする仲間??京都校の面々が背負った過去が、交流戦に影を落とす。


◎~ ~◎

「なんで一緒に落ちぶれてくれなかったの?」

【前巻まで】”人間そのもの”の負の感情が集積した恐るべき特級呪霊、真人(まひと)を取り逃がした虎杖は、己が無力を痛感し、「もう俺は負けない」と更なる成長を誓う。一方、姉妹校交流戦に参加する為に上京した京都校の面々は、その学長である楽巌寺 嘉伸(がくがんじ よしのぶ)に虎杖の抹殺を命じられていた。

第5巻 ~京都姉妹校交流会~


呪術廻戦 第5巻
掲載週間少年ジャンプ
著者
評価★★★☆☆
呪術高専の学生たちの交流と、技術向上を兼ねた「姉妹校交流戦」が開催されたが、虎杖 悠仁の存在を危惧する京都校の楽巌寺(がくがんじ)学長の指示による、あからさまな”虎杖殺し”が発覚し、東京校の面々に戦慄が走る。

しかし、それを”不粋である”として嫌った京都校の東堂 葵が虎杖との一騎打ちを押し通した為に、他の面々も仕方なく一対一の勝負へと移行する。

東京校のパンダは京都校の与 幸吉(むた こうきち)が操る究極メカ丸と、釘崎 野薔薇は”箒”(ほうき)に跨って飛行する西宮 桃と、禪院 真希は双子の妹である真衣と、そして、伏黒 恵は「赤血操術」の加茂 憲紀(かも のりとし)と、それぞれ鎬を削り合う。

学生各人が、お互いが置かれた立場の難しさに思いを馳せる中、勝負それ自体は東京校優勢に進んでいくが、単独で遊撃役を担っていた狗巻の前に、突如として特級呪霊の花御(はなみ)が姿を現す。

解説と感想

前巻に於ける吉野 順平の悲劇と、特級呪霊の真人(まひと)を取り逃がした悔しさの冷めやらぬ中で、呪術高専東京校と京都校による「姉妹校交流戦」の開幕となりましたが、本巻は、改めて学生各人が呪術師を目指すきっかけとなったエピソードと、それぞれの置かれた立場の難しさがクローズアップされる巻となります。

まぁ、普通に生まれ育っていたら呪術師なんぞ目指すワケはありませんので、各人に「重たいエピソード」があるのは当然なのですが、「だからこそ、皆で助け合って一緒に強くなろう!」とは必ずしもならないのが、やはり人間の”性”(さが)というものでしょうか。

現状での実力は抜きにして、とにかく「お金」の為に頑張っている三輪 霞(みわ かすみ)や、「天与呪縛」(てんよじゅばく)によって呪術師以外の選択肢が無かった与 幸吉など、実に色んなキャラが居て読者的には面白い巻なのですが、その反面、「自分だったら、こうするけどなぁ…」と、それぞれのキャラの選択に疑問を感じる事も、これまた事実であります。

ミュージシャンや漫画家、あるいはスポーツ選手など、世間一般とは違う生き方を選んだ人達に共通して言える事ですが、彼らは一般の人間と比べて幾分か突出した「才能」なるものを持って生まれた事は確かなんですが、しかし、だからといって必ずしも「無敵なる心の強さ」までをも併せ持っているワケではない…という事なんですよね。

稀に、そういった「才能ある人達」による暴力団との関与や麻薬の使用といった「凋落」や、あるいは原因不明の自殺といった悲しい報道が飛び込んできて、我々、一般の人間が大いに驚く事がありますが、ひょっとしたら、彼等には才能を持って生まれたが故の盲点や弱点といったものがあって、一般人よりも思い悩む時間が多いのかもしれません。

個人的に、そんな事を考えさせられた一冊でした。

P.S あ、やっぱ、この巻は表紙がモノ凄く気に入らないですww

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