鬼滅の刃 第22巻-あらすじ&感想-

鬼滅の刃 第22巻-あらすじ&感想-

無敵かと思われた鬼舞辻 無惨の身体に起きた、大きな「二つの変化」。想いは、技は、縁は廻る。


~ 弐拾弐 ~

「無惨が逃げちまうぞ 早く行かなきゃ」

【前巻まで】愈󠄀史郎の奇策によって地上へと叩き出された鬼舞辻 無惨と鬼殺隊士達。無限の迷路からは逃れたものの、大きく力を取り戻した無惨の前に柱達は防戦一方となる。

第22巻 ~廻る縁~


鬼滅の刃 第22巻
掲載週間少年ジャンプ
著者
評価★★★★

愈󠄀史郎の奇策によって戦いの舞台を再び地上へと移して迎えた、鬼舞辻 無惨との最後の攻防。斬った端から瞬時に回復してしまう、無惨の驚異的な再生能力の前に万策尽きたかと思われたが、伊黒は時透 無一郎が黒死牟戦で見せた「赫刀」(かくとう)を再現し、少しずつではあるがダメージを与え始める。

一方、無惨の攻撃で「毒」を体内に注入された炭治郎は、昏睡状態の中、先祖である炭吉の記憶の中で「日の呼吸」の技を披露する縁壱の姿を見る。

昏睡から覚めた炭治郎は「十二の型を順番に繋げる」という最適解を得て、再び無惨に猛攻を仕掛ける。逆に、手負いの炭治郎をなかなか仕留められない事に疑念を抱いた無惨は、自身の身体に起きていた恐るべき変化に驚愕する。

解説と感想

さて、本巻は最終巻の一つ手前という事で、いよいよ戦いは極限状態の様相となりました。ハッキリ言ってしまうと、いろんな要素、要因が入り乱れ過ぎて、なんだかワケが分からないカオス状態に陥っているワケです。

これは恐らく、炭治郎自身、無惨自身、そして我々、読者サイドを含めた三者同様だと思われます。無惨は自身の身体に起きた「二つの大きな変化」に大きく狼狽し、当初の余裕は何処へやら、「これ以上、やってられるか!!」と逃亡を図ります。

一方、炭治郎は「日の呼吸の十二の型を全て繋げる」という最終結論を出したものの、途中、逃亡を図った無惨に対して「はぁ!?有り得ねぇだろ!!」とばかりに大きく驚愕&憤慨します。

また、我々読者サイドとしては、日の呼吸の十二の型を全て繋げる事にどんな意味や効果があるのか、今一つ腑に落ちませんし、無惨の身体に起きた二つの変化にしても、「前者」に関しては予め計算して仕組んだ事が功を奏したと理解できますが、「後者」に関しては「いやいやいや、いくらなんでも無理あるんじゃない!?」というのが正直なところです。

個人的な感想になりますが、おそらくは本誌連載中に於いて、作者である吾峠氏自身も、この最後の戦いをどのように収拾するかギリギリまで考えあぐね、しかし、ページ数の都合上で全ての要素を無理なくまとめる事が出来なかったのではないかと思います。

従って、本22巻は我々読者に対して「一体、これをどうやって収拾するのよ??」とアレコレ想像させてドキドキ感を維持させながら、次の最終巻である23巻に繋げる導線であると解釈するのが妥当なところでしょう。

なにしろ、次の最終巻は文字通りの「総員総力戦」である上に、まさかの「大どんでん返し」が待っていますからね…

電書版検索


英語版

【次巻】鬼滅の刃 第23巻 ~幾星霜を煌めく命~
【前巻】鬼滅の刃 第21巻 ~古の記憶~