ここ数年、我々のようなブロガーの間でも、漫画のレビュー記事をコンテンツとして定番化している人は確実に増えています。

しかし…

そうです、コンテンツとして定番ではありながらも、そこには著作権という門番がドッシリと構えています。

「NAVERまとめ」のような無法地帯は論外であるとしても、マンガのレビューを載せている個人ブログの中には「ギリギリセーフ…かな??」と、思わず冷や汗を拭ってしまうような際どい引用の仕方をしているものが多く見受けられます。

「引用」と「盗用」の境界線

例えば映画の場合ですと、配給会社が「YouTube用」のダイジェストムービー(予告編)を公式アカウントに予めアップして(くれて)いる場合が多いので、それをブログに貼り付けている分には何もお咎めはありません。
さすがは、漫画などよりも遥かに巨額のお金が動く映画業界。
盗まれる前に「ブログやSNSで紹介したいならコレを使ってね」と、予め「撒き餌」を用意してくれているワケですね。

翻って、マンガ業界はどうかと言うと…
ごく最近になって、やっと映画業界のような予告編ムービーを用意するようになったばかりであり、しかも、出版社各社の足並みが揃っているワケでもありません。
さりとて、我々のような個人のブロガーが出版社と直接交渉してライセンス契約を結ぶ…などという事は、やはり現実的ではありません。

この著作権の問題は、我々のような個人の情報発信者が判例で認められている「引用」の範囲をどこまで自主的に守れるか、そして著作権者、並びに著作権者から委託を受けた管理者がどこまで「目を瞑ってくれるか」という、言わば「永遠のグレーゾーン」であるかのようにも思われます。

が、しかし…

ある一つのサイトが、この暗雲を晴らす契機に成り得るやもしれないのです。

有名マンガのコマをWebサイト、SNSで使える無料Webサービス

マンガルー1
「マンガルー」
https://mangaloo.jp/

いやはや、驚きました(°Д°;)

例えば、漫画のセリフの部分だけを書き換えるパロディーはTwitterでもよく見かけますし、もちろん、その大半が違法ですが…
なんと、上記のマンガ素材サイト「マンガルー」では「権利者より正式に許諾を受けた作品をご利用いただけます」と謳っているではありませんか!!

マンガルーで利用可能な作品
しかも、どれもが一度は見た事、聞いた事がある有名作品ばかり…

これが本当であれば、ワタクシのような漫画好きのブロガーにとっては、まさに天から降って来た「神のサービス」であるワケですが、その反面、「ホントに許諾受けてるの??」という不安が無いワケでもありません。

特にありがちなのが、素材として提供されている一部の作品は本当に許諾を受けているものの、それに混じって許諾を受けていない作品までもが、なし崩し的に提供されている…という場合。

しかし、そればかりは、我々エンドユーザーの側が許諾を受けているか否かを個別に判別するのは難しいので、後々に議論や問題が提起される可能性はありますが、とにかく実際に使ってみましょう!!


登録には審査が必要!


マンガルーの利用方法

では、早速、メールアドレスを登録して利用を開始してみましょう!

メールアドレスを入力すると、更に追加の入力欄が現れます。
どうやら、利用予定のサイト(or SNSアカウント)を事前に審査するみたいです。

「サイト運営者」「サイト名」「利用するサイトURL」に、それぞれ入力して送信します。

マンガルーのアカウント作成1
審査完了まで一両日待ちます。



マンガルーのアカウント作成2

審査が終了し、遂にログイン!!

使い方は簡単!!


ではでは出羽海、早速、作品選びと切り抜き作業に取り掛かりましょう。

マンガルー2

利用可能な作品数は、3月20日現在で(同一タイトルの複数巻含め)73作品。

ちょっとHな作品もあるみたいですが…
ブログに貼るのは避けた方が賢明でしょうね…
どうしても使いたいという方はTwitter用にどうぞww

マンガルー編集画面1

作品を選択すると編集画面に切り替わります。
マンガルー編集画面2

既存の画像編集ソフトと全く同様の操作で、切り抜き(トリミング)範囲を選択します。

範囲を選択して「コマ作成」と書かれたボタンを押すとトリミングが終了し、サイト用の埋め込みコードとSNS用の共有URLの両方が出力されます。
オプションとして切り抜き後の画像の大きさも段階的に選べますし、「笑い」「disる」等のタグ付けをする事によって、他の利用者とユーザビリティーの共有を図る事もできます。


埋め込みコードを実際にブログに貼り付けた結果がコチラ!!

ありがたい事に著作権者のクレジットが自動的に挿入されますので、利用者は本当に「切り抜き&貼り付け」するだけでO.Kです。
いやはや、これはブログ界隈にとって大きな利便性をもたらしますよ!!

注意点や今後の展望

当初、予想していたよりも遥かに簡単な操作で作品の貼り付けが出来てしまいましたが、一つだけ注意して頂きたい点があります。

埋め込みコードにはYouTube等と同じ「iframe」が使用されていますが、iframeで呼び込まれたファイルは基本的に「外部扱い」なので、ブログサービスやテンプレートの種類によってはサムネイル画像としては認識されない場合があります。

従って、アイキャッチ/サムネイル用として利用したいのに、自分のブログでは出来ない…という方は、サムネイル画像の取得方法をJavaScript等を利用して適宜に変更する必要が生じます。

そして、このサービスの今後の展望に関して、不安要素が全く無いわけでもありません。
私達、利用者にとっては、まさに「神のサービス」と呼ぶに値する便利な仕組みですが、いつまでもは続かない恐れがあります。

と、言いますのも、マンガルー(株式会社ムーヤン)側が著作権者から正式に許諾を受けていると表明している以上、当然の事ながら契約に基づいて既定の使用料を支払っていると思われますが…

将来的に、その金額の変更に関する協議(著作権者側が値上げ要求するにせよ、マンガルー側が値下げ交渉するにせよ)が行われた結果、マンガルー側が「これ以上のサービス続行は不可能」と判断して、サイトが閉鎖される可能性はゼロではありません。

あるいは、お金の問題だけではなく、私達エンドユーザーの利用の仕方(例えば作品そのものや著作権者自身を批判、中傷する文脈と一緒に掲載する等)によっては、著作権者側が使用契約を破棄する可能性も充分に考えられます。

せっかく、便利な事この上ないサービスを提供してもらえたのでから、ブロガーとしては、節度を守って適切な形での利用を心掛けたいものです。