東京喰種:re -解説と感想-



Tokyo Ghoul:re
~ Tokyo Ghoul returning with the great betrayal ~

本記事は2018年にアニメ化が決定した「東京喰種:re」(トーキョーグール アールイー)の原作漫画の解説と感想です。
本作をアニメで初めて知った方は、参考にして下さい。

テレビCM用トレーラー映像

映像制作:牛丼(東京喰種静止画MADコンテスト グランプリ受賞者)
楽曲制作:杉浦"ラフィン"誠一郎(アトミックモンキー)



掲載:週刊ヤングジャンプ
著者:

表向きのあらすじ

本編の主人公、佐々木 琲世(はいせは「喰種(グール)捜査官」でありながら、喰種と同じ体内器官である「赫包」を有する「半喰種」でもあり、同様の施術を受けた捜査官達のグループ「Qs」(クインクス)を率いて喰種の討伐に勤めていた。
しかし、頭の中で囁く「もう一人の自分」の声に度々悩まされており、暴走するリスクを抱えながらも、その力を借りざるを得ない局面が続く。

舞台の裏側

前作「」の主人公にして「半喰種」でもある金木 研(かねき けんは、CCG(喰種対策局)の最強捜査官である有馬 貴将(きしょうに行く手を阻まれ、対喰種武器「クインケ」によって頭部を貫かれた。
絶命こそ免れたものの、それまでの人生の記憶を全て失った金木は、喰種対策局の総議長である和修 常吉と、同局長である和修 吉時の図らいによって、喰種捜査官としての新たなる人生を与えられる。

第1巻


【収録】
第1話「骨」
第2話「委舵と畏蛇」
第3話「鐘」
第4話「未と師、視と屍」
第5話「執徒」
第6話「握人への悪賭」
第7話「昧人」
第8話「代行者」
第9話「継情」

解説

「半喰種」の捜査官である佐々木 琲世は、自身と同様にして、より安全な仕組みが施された「Qs施術」を受けた捜査官で構成されるグループである「クインクス班」の指導を命じられていた。

しかし、各メンバーの思惑の違いから起こる勝手な行動に手を焼いており、班で追跡していた喰種「トルソー」を取り逃がしたばかりか、その途中で偶然に遭遇したSレート喰種「オロチ」によって、あわや全滅のピンチに追い込まれる。

「頭の中の声」に従い、その本当の力を解放した佐々木は辛くもオロチを退けたものの、力の暴走を抑える事が出来ずに、後から駆け付けた平子 丈(たけ上等捜査官が率いる平子班に取り押さえられる形となった。

感想

えーと、未だ読んでいない人達の為に、極端なネタバレをしないように配慮しつつ感想を書くというのは、なかなかに難しい作業ではあります。
で、前作の「東京喰種」(通称、無印)と比べて大きく変化した点は、絵柄が全体的に粗くなったという事なんですよね。

なので、前作で熱烈なファンだっと人ほど、逆に「:re」の連載が始まってからは強烈な違和感に苛まれているのではないかと思います。
これについては、単なるアシスタント不足なのか、はたまた前作とは少し違った描写をしようと試みた結果であるのか、我々読者が知る術はありませんので、この際、気にしない事にしましょう。

とりあえず、本巻の見どころは、新旧キャラが交互に登場する事によって浮き上がってくる「あれから、少し時間が経ったんだねぇ…」という半端な時間感覚と言いますか、「懐かしさまでには至らない、妙にもどかしい気持ち」ですね。

第2巻


【収録】
第10話「擬枠」
第11話「待ち甲斐」
第12話「枯魂」
第13話「ああ降ろう、血」
第14話「韻に触れる」
第15話「更努」
第16話「右」
第17話「モテ」
第18話「渡し舟」
第19話「パーティ」
第20話「回転移動」

解説

トルソーを取り逃がした佐々木らクインクス班に与えられた次なる任務は、「ナッツクラッカー」と呼ばれる人身斡旋役の喰種と接触し、都内で定期的に開催されていると噂される「人間オークション」についての情報を探り出す事であった。

女装してナイトクラブに潜入したクインクス班は、思惑通りにナッツクラッカーと接触し、表向きはパーティーと称した人間オークションの開催情報を入手する。

作戦を指揮する和修 政(まつり 準特等捜査官は、この報告を受けてクインクス班の六月 透(むつき とおる 三等捜査官に単独で囮役になる事を命じるが、このオークションに「ビッグマダム」と呼ばれる富豪喰種が参加する可能性が高い事から、忌まわしき因縁を持つ鈴屋 什造(じゅうぞう準特等捜査官が自分も一緒に囮役になる事を提案する。

人間オークションの開催当日、ナッツクラッカーが手配した車の中で眠らされた六月は、目が覚めた時にはスポットライトが当たるステージの上で「商品」として紹介されていた。
あまりの急展開に茫然自失とした六月は「落札済み」として控室に連行されるが、次に紹介された鈴屋は右脚の義足に仕込んでおいたナイフ型のクインケを抜き、ステージ上の喰種に奇襲を仕掛ける。

この鈴屋の攻撃を合図として、会場周辺を包囲していたCCGの各班が一斉突入。
喰種側の警備として雇われていた「アオギリの樹」のメンバーとの戦いが、会場内のあらゆる場所で繰り広げられ、人間と喰種、双方の屍が山のよう積み重なる。

感想

表紙でお分かりのように霧嶋 董香(とうかが美人になって(?)再登場致します。
前作でトーカファンだった人にとっては、感涙モノのシーンでしょう。

しかし、その直後の「人間オークション掃討戦」では、実に多くの喰種集団がそれぞれの思惑の元に動くので、我々読者も次の展開が全く読めずに、頭の中がカオス状態になる事は必至です。

そんな中で唯一と言いますか、やはりと言いますか、「キタァァァァ!」と手に汗を握らせてくれる本巻最大の見どころは、什造が右脚の義足を「ガシャン」と開いてナイフ型のクインケを取り出すシーンです。
やはり、什造は有馬の次に強い「No.2」であるという認識で間違いないでしょう。

第3巻


【収録】
第21話「選る」
第22話「謬徒」
第23話「梨酒」
第24話「撫気」
第25話「令」
第26話「あ」
第27話「呼居」
第28話「場乱す」
第29話「栖求」
第30話「凍る」
第31話「ビュート」
番外編「JOKER」

【解説】
混迷を極める「人間オークション掃討戦」は、多大な犠牲を払いながらも数で圧倒するCCGが、やや有利に戦局を進めていた。
囚われた六月と合流する事に成功した佐々木らクインクス班は、疲弊した六月に退却を指示し、瓜江がこれに付き添う形となったが、戦功を上げんと焦る瓜江の誘導によってオークションに客として参加していた喰種たちの集団に遭遇する。

六月、瓜江と別れた残りのクインクス班は、ナッツクラッカーによって管理棟の外に投げ飛ばされた林村一等と合流するが、その瞬間、行方不明とされていた「あの男」が佐々木の背後から強襲を仕掛ける。
和修準特等の指示によって佐々木は「あの男」と単独で対峙し、林村、不知、米林の三名は再度、ナッツクラッカーが陣取る管理棟へ向かう。

一方、班員の到着によって自らのクインケ「ジェイソン」を手にした鈴屋は、瀕死の六月と瓜江を救い、因縁深き相手「ビッグマダム」の駆逐に成功する。

「あの男」の強力な攻撃によって終始、翻弄されていた佐々木であったが、間に割って入った「あの女の子」に救われる形となり、九死に一生を得る。
他の作戦に参加していた有馬特等とS3班の到着によって「あの男」は退却し、この凄惨な戦いに幕が下ろされた。

【感想】
はい、前作の最終巻で人間側と喰種側、共に行方が分からなくなっている者が何人か居たと思いますが、その中の一人である「あの男」が、実に気持ちの悪い方向にパワーアップして帰ってまいりました!

そうです、表紙の男ですww

ですが、正直申し上げて…
この男が誰なのか、最初は全く分かりませんでした。
それぐらい、前作に於いてはモブ寄りのキャラだったので。

この辺りが、作者である石田スイ氏が他の作家とは一線を画している部分であると言いますか、登場するキャラクター一人一人に対して「順当な扱いをしない」という特色があるかと思います。
いかにも意味あり気に登場した奴がアッサリやられて退場したかと思えば、最初はモブだと思っていた奴が後々に重要な立ち位置で再登場したり…

「Aという仮定を設けて推理すると、もう一つの伏線であるBと矛盾してしまう」
そして、考察はグルグルと堂々巡りを繰り返す…
それが、この東京喰種という作品であります。

そんなワケで、本巻最大の見どころにして唯一の救いがある場面は、「あの男」の苛烈なる攻撃を「あの女の子」が見事に防ぎ切り、ハイセを救ったシーンです。

番外編「JOKER」について

本巻の最後に収録された番外編「JOKER」は、週刊少年ジャンプ2014年31号に「出張掲載」された読み切りです。


ヤモリ亡き後、それまでの「白スーツ」に代わって13区で台頭し始めた喰種集団「スカルマスク」を追う上等捜査官時代の鈴屋 什造と、本編で初登場となる鈴谷の部下、阿原 半兵衛(あばら はんべえ)二等捜査官の活躍が描かれています。

特に、それまで「白髪」であった鈴谷が本編では「黒髪」で描かれており、その変化が何によってもたらされたのか、ファンの間で大いに議論を呼んだ作品です。

【Costume players】

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第4巻



【解説】
「オークション掃討戦」で功績を上げた佐々木らクインクス班は、次なる任務である「ロゼヴァルト家関連勢力捜査」の為に、宇井 郡(こおり)特等捜査官が率いるS1班に編入された。

同じくS1班に編入されたキジマ 式(しき)準特等捜査官が率いるキジマ班は、高い戦闘能力でロゼヴァルト家の者と思われる喰種を捕え、その尋問の様子を動画として公開する事によって挑発を試みる。

一方、ロゼヴァルト家の生き残りであるカナエ=フォン・ロゼヴァルトは、現在の主人である月山 習(しゅう)が、喰種捜査官である佐々木に対して並々ならぬ執着を抱いている事に嫉妬するも、習の友人である堀 ちえの助言に従って、佐々木と習の接触に付き添う。

しかし、常にクインクス班と共に行動している佐々木とは、なかなか単独で接触する機会が無く、その事で落胆している習を見兼ねたカナエは、独断で「アオギリの樹」のメンバーにクインクス班四名の抹殺を依頼する。
前回の「オークション掃討戦」から確実に成長したクインクス班の面々は、細かなミスはあったものの、カナエが差し向けた「アオギリの樹」のメンバーを撃退し、カナエ自身も深手を負って退却を余儀なくされた。

【感想】
皆さん!!本巻では遂に鈴屋 什造の特等昇進シーンが拝めます!!
前作に於いて、隻眼の梟(娘)に完膚なきまでの大敗を喫したヤンチャ坊主が、和修局長から辞令を賜るこのシーンは、ワタクシはもちろんの事、この日を待ち侘びていた鈴屋推しのファンにとっては感涙垂涎の一コマでしょう。
ただし、本人は「あっそ」という顔をしていますがww

昇進パーティーが終わると、場面はサラッと変わって本巻の表紙を飾る「イカレたグルメ野郎」にスポットライトが当たります。
個人的には、月山 習の見せ場は前作で終わったと思っていたので、ここで大きく取り上げられるのは少し不自然な感じがしなくもありませんでした。
しかし、前巻のオークション掃討戦で彼のパパや執事たちがオークションの客として既に登場していますので、本作に於ける話の流れとしては至極自然です。

この作者が常套的に使う手法の一つに「Aを大きくクローズアップする前振りとして、先にBを取り上げておく」というのがありまして、例えば前作で隻眼の梟(父)をやっとの思いで倒したと思ったら、更にデカい図体した娘がズドンと現れた時の、あの絶望感たるや…
ひょっとしたら、本巻で「カネキくん」と再会した月山がハッスルしている間に、ニヤニヤしながら盤上の駒を動かしている者が居るのかもしれません。

さて、本巻では何名かの新キャラが登場しており、それはそれで各々が良い味を出していて、今後の活躍が期待されるワケですが…

しかし、しかしですよ…
最後の最後に、やってくれました…

ローブを着た大男」が、米林 才子のピンチを救うんですけどね・・・
その後ろ姿が「どこかで見た事がある大男」なんですよww

本巻では、改めてこの作品の「表と裏」を意識する事になるでしょう。

【Costume players】

第5巻



【解説】
ロゼとアオギリの繋がりを宇井特等に報告したクインクス班は、マスクを被って喰種の真似をし、接触した喰種から情報を聞き出すという「文字通りの覆面捜査」を決行する。
クインクス班、キジマ班、伊東班、それぞれの報告を受けた宇井特等は、「ロゼヴァルト家の総本山は月山家と、その企業グループである」との確信を得て「月山家駆逐作戦」を起案、和修 常吉総議長がこれを承認した。

月山グループの経営責任者である月山 観母(みるも)は、屋敷に踏み込んできた宇井特等たちに全く抵抗せずに投降したが、それを逆に不審に思った和修特等は、妻子が既に逃亡している可能性を宇井特等に伝える。
逃亡先や逃走経路を推理した結果、とあるグループ企業のビルが浮かび、先行していた伊丙上等たちが突入、後続の班も次々に突入し、月山グループの喰種たちとの大規模な戦闘が始まる。

宇井特等の指示によって単独でビルの屋上へと先行した佐々木は、そこで月山 習と遭遇する。
投降するように説得するが、それを習が拒否して攻撃を仕掛けた為に、佐々木にとっては不本意な戦いに陥る。
辛うじて習を抑え込んだ佐々木が、尚もトドメを刺す事を躊躇っていると、誰かに洗脳されて知性を失ったカナエが突如として現れ、二人の間に割って入る。

前回の襲撃時よりも格段にパワーアップしたカナエに右腕を斬り飛ばされ、佐々木は半ば強制的に覚醒状態に移行して巻き返すが…
その様子を遠くから眺めていた「あの悪夢」が、遂に轟音と共に降臨する。

【感想】
前巻で「今後の活躍が期待される」と述べた新キャラが、アッサリグッサリとやられてしまいます(大泣)
まぁ、グール達にもそれぞれの生い立ちと意地、絆と結束がある、といったところでしょうか。

第三巻の感想でも述べましたが、この作品は、時には颯爽と、時には意味あり気に登場した新キャラが早々に退場してしまう事が多いので、ある意味ではファンの期待を裏切り続ける作品だと言えるかもしれません。

本巻は最初から最後まで、場面が二転、三転して息を継ぐ間もないほど手に汗を握り続ける緊迫したシーンの連続ですが、しかし、それすらも全て嘲笑い、まるで「ちゃぶ台返し」をするかのように…

あの悪夢」が文字通り天から降って来ます。

「今までの展開は何だったんだ!?」
「まさか、全てはこの為か!?」

こうして、私達は作者に裏切られ、その掌の上で転がされる事に悦びすら覚えるようになっていくのかもしれません。

【Costume players】

第6巻



【解説】
「あの悪夢」の降臨によって絶体絶命の窮地に立たされた佐々木は、脳内での逡巡の末に、遂に「カネキケン」としての記憶を取り戻し完全に覚醒を果たす。
先ほどまでの劣勢とは打って変わってカナエを完全に抑え込んだ佐々木は、あの怪物をも抑え込むべく電光石火の如き立ち回りを見せる。

その予想外の強さを完全に見誤った怪物は、佐々木に手痛い重傷を負わされて下半身(?)をその場に残したまま、ビルの谷間の闇へと消えて行った。

一方、「アオギリの樹」の幹部の中でも、最も得体の知れぬ「沈黙の強敵」である「ノロ」によって全滅の危機に追い込まれた伊東班とQsの面々は、不知 吟士(ぎんし)二等捜査官の獅子奮迅の活躍によってこれを討ち取ったが、不知自身も致命傷を負い、仲間たちの腕の中で息を引き取る。

多大なる犠牲を払った「ロゼヴァルト討伐作戦」から半年が経過し、「アオギリの樹」を着実に追い詰めつつあったCCG。
準特等捜査官に昇進した佐々木を筆頭にしたチームが、「作家の高槻 泉こそがアオギリの首領である」と断定してその身柄を拘束する一方、アオギリのアジトとして名前が挙がった東京湾内の孤島である「流島」に、六月 透 一等捜査官をメンバーに加えた鉢川班が派遣される。

【感想】
「アオギリの樹」のアジトが突き止められた事によって、いよいよ、ストーリーが後半に向けて折り返した感がありますが、しかし、相変わらずいくつかの「謎」が明かされぬままに進行しているので、我々読者は、例によってモヤモヤとした灰色の気分のままに本巻を読み終える事となるでしょう。

・オロチ(西尾 錦)が「喰種狩り」をしていた理由とは?(第一巻)
・喰種である霧嶋 董香が、病院に何の用事があったのか?(第二巻)
・「ローブの大男」の正体と目的は?(第三巻&四巻)
・「へのへのもへじマスク」のスケアクロウの正体と目的は?(第三巻&六巻)
・旧多 二福(にむら)一等捜査官の謎の行動の真意は?
・謎の組織「V」の全容と目的は?(前作&第六巻)

そして何より・・・
前作以来、安否も行方も知れていない金木 研の親友、「ヒデ」の現状は!?

と、まぁ、パッと思いつくだけでも、これだけの謎が残っているワケですよ(ノ∀`;)
ワタクシの推察では、二回ほどチラッと姿を見せた「アイツ」がヒデの現在の姿であり、金木 研が記憶を失って佐々木 琲世として生活していたように、ヒデもまた記憶を無くし、誰かに操られて「アイツ」として活動しているのではないか、と・・・

さて、そんなワケで、物語の重要なターニングポイントとなった本六巻は、実に多くの見どころがありますが、ワタクシのイチオシは「さっ、才子が真面目に仕事してる!?」ですww

【Costume players】

第7巻



【解説】
作家の高槻 泉(芳村 エト)が喰種収容所「コクリア」に収監されるのと時を同じくして、悲願である「アオギリ殲滅」を果たすべく編成されたCCGの攻撃部隊が、遂に「流島」への上陸を開始した。
一方、6区の喰種たちのリーダーである万丈 数壱(かずいち)の協力を取り付けた霧嶋 アヤトは、同じくコクリアに収監されている笛口 雛実(ひなみ)を奪い返すべく二度目の「コクリア破り」を敢行する。

既に「カネキケン」としての記憶を取り戻していた佐々木は、やはり雛実を救出する為に事前に準備を進めていたが、奇しくも同時に侵入したアヤト達と協力し合う形となり、収監されている喰種たちを順次開放しながら、コクリアを下へ、下へと潜って行く。

遂に雛実が収監されている独房を探り当てて救出する事に成功した佐々木は、現在、唯一の脱出口である「最下層廃棄プレス場」を目指すが、その途中、有馬 貴将の追撃によって絶体絶命のピンチを迎えていたアヤト達と入れ替わる形で「死神」と対峙する。

尚も大きく開く有馬との戦力差に絶望して、戦いを放棄しようとする佐々木。
旧多一等の知謀によって、プレス機に飲み込まれようとするアヤトと万丈達。

しかし、その両者に意外な人物が手を差し伸べる。

【感想】
いよいよ、我らの「ちゃんヒナ」を救出するべく、アヤト達が二度目のコクリア破りを敢行するスリリングな巻となったワケですが…しかし!!
いきなりのツッコミどころ炸裂でありますww

「アヤト君、ソレをドコで手に入れたの??」

これはいくらなんでも唐突過ぎますし、不自然極まりないので、誰が「ソレ」をアヤトに託したのかは、後々に作中で説明されるでしょう。
(説明されなければ、喰種史に残る大ブーイングモノです)

また、本巻は前作の中で結局は説明されなかった、いくつかの謎について(やっと)タネ明かしが為される重要な巻となっています。
・ピエロの「宗太」の正体
・四方とアヤト、トーカの繋がり
・永近 英良(ヒデ)の消息

しかし、それらの謎が明かされても尚、物語の舞台から霧が晴れる事はなく、いくつかの謎が依然としてベッタリと貼り付いたままです。
・オロチ(西尾 錦)が「喰種狩り」をしていた理由、特にトルソーを追っていた理由とは?
・喰種である霧嶋 董香が、病院に何の用事があったのか?
・「ローブの大男」はコクリア側と流島側のどちららに現れるのか?その最終目的は?
・「へのへのもへじマスク」のスケアクロウの正体と目的は?
・謎の組織「V」の人員はCCGにどれぐらい入り込んでいるのか?
・「隻眼の王」は誰なのか?

前六巻に於いて、ワタクシは「スケアクロウの正体はヒデなのではないか?」と予想しましたが、本巻の描写を見るに、どうやらハズれだった様子ですorz

そんなワケで、スリリングな展開が続いて状況が二転、三転する本巻最大の見どころは、「ナルカミ」と「IXA」を破壊された有馬が、いよいよ奥の手である「第三のクインケ」を手にする場面と、大人しく収監されたかに見えたエトが、「やっぱ、ヤーメた!!」とばかりに「あの場所」に降臨なされる場面です。

【Costume players】


第8巻



【解説】
アオギリの本拠地である流島の攻略と、CCGの消化器官とも言えるコクリアの防衛。
この二つに大きく人員を割く事となったCCGは「梟討伐戦」以来の危機を迎えていた。

快調に進撃を続けていたかに思われた鈴谷班の前に、突如現れた「あの女」。
逃走するアヤト達を捕えたかに見えた田中丸の前に、突如現れた「あの男」。

独房の中で静かに機会を待ち続け、満を持して躍り出た「老獪なるピエロ」。
野望を煮詰めながら世を欺き続け、尚も狂喜の悦に浸る「妖怪なるピエロ」。

激しいぶつかり合いが生み出す「想いの熱量」の中で、遂に「隻眼の王」が目覚める。

【感想】
さて、本巻で遂に「隻眼の王」が誰なのかが判明するワケですが…
その御膳立てに疑問が残るというか、ある意味で「この作者らしくないのでは??」という違和感を感じてしまったので、ここではこれ以上言及しません。

しかし、それを差し引いてもなお、本巻は「:re」の連載開始以来最大級の「告白に次ぐ告白」「裏切りに次ぐ裏切り」の連続で片時も目が放せません。

それぐらい、見せ場が満載された内容の濃い一冊となっているので、どれか一つを推すのは大変に難しいのですが、それでも敢えて個人的に挙げるとするならば、有馬と鈴谷のクインケがそれぞれ破壊され、両者共に最大のピンチに陥るシーンです。

それまで「強さの象徴」として絶対的な認識と信頼を受けていたモノが、ある日突然、燃やし続けた執念や若い力によって打ち砕かれる…

「栄枯盛衰」「諸行無常」

悲劇であると同時に哲学でもあるのが、この東京喰種という作品でしょう。

【Costume players】

第9巻



【解説】
遂に「アオギリの樹」の幹部であるタタラと対峙し、佳境を迎えた流島攻略。
「赫者」と化したタタラを法寺特等が上手く捌き、止めを刺したかのように見えた刹那…二人の間に割って入ったオウル(滝澤)がタタラを追い詰めて倒し、かつての上司であった法寺に対して自分の功績を認めるように促す。

しかし、その意に介さずにオウルの駆逐を班員に命じた法寺の態度に逆上した滝澤は、法寺とその班員全てを殺害し、最後の一人である真戸 暁準特等の首にも手を掛ける。

そこに現れた「ローブの大男」、亜門 鋼太朗が真戸を救い、滝澤に対して「生きて罪を償え」と説得するも、続けて現れた六月 透、そしてQs班の手によって亜門は倒され、滝澤は混乱を収められぬままに真戸を連れて流島を脱出する。

一方、和修 政は「アオギリの樹」の殲滅率が98%を超えた事によって作戦の終了を宣言し、加えて本土に於いて「コクリア」が襲撃され、有馬 貴将が殺害された事を全捜査官に告げるが、その直後、和修 常吉総議長を始めとした和修家全員の殺害が報告される。

【感想】
さて、大方の予想通り「ローブの大男」の正体が亜門 鋼太朗だという事が判明したワケですが、登場当初はダメダメなニートであった米林 才子が「俺はもう…誰一人(仲間を)失いたくないんだ」という瓜江の想いを汲んで、涙ながらに亜門に止めを刺したシーンが、個人的には本巻最大の見所ではないかと思っております。

しかし、その反面、「オークション戦」で佐々木(金木)を圧倒し、本巻でもタタラを追い詰めて倒すほどの強さを見せた滝澤が、今さら真戸や亜門の言葉に大きくグラつくのは釈然としなかった事も確かです。
真戸を連れ去ったところで、その後、どうするのか??

加えて、和修 政は言及しなかったものの、「そもそもの元凶」である嘉納には(案の定)逃げられており、法寺特等の殉職も含めて、この流島攻略作戦自体が「失敗」ではなかったのかと思う次第です。

そして、本巻最後の最後で、嘉納とは別の意味での「最初からの黒幕」が、いよいよ大きく動き出すワケですが…

ちょっと、待ってもらっていいですか??

皆さん、すっかり忘れてるかもしれませんが…
この「:re」は…

「佐々木 琲世とクインクスの面々」が主人公だったのでは!?

物語が後半に入ってもなお、先が読めませんorz

第10巻



【解説】
平子 丈と0番隊の協力によってコクリアを脱出する事に成功した金木は、喫茶店「:re」にて「あんていく」時代の面々と再開する。

月山の働きによって、金木や西尾を始めとする「喫茶店組」、ナキやミザを筆頭とする「アオギリ残党組」、そして金木が解放した他の喰種たちによる「コクリア脱出組」が一堂に会する事になるが、それぞれ立場や因縁が違う為に、金木を頭領とする新集団を組織する事に対して懐疑論が飛び交う。

一方で、CCG内での権力掌握を着実に進めんとする旧多の手によって、「ピエロ集団」を利用した自作自演の「CCG各支局同時襲撃」が展開される。

懐疑論をなんとか治めた金木は、自らを筆頭とした新集団を「黒山羊」(ゴート)と名付け、旧多が操るピエロ集団と対決する事を当面の目標とする。

互いに出方を窺い、牽制し合う「旧多と金木」「ピエロと黒山羊」。
そんな混迷の中で、遂にピエロの本隊がCCG本局を襲撃し、鈴谷率いるSⅢ班がこれを迎え撃つ。

【感想】
さて、先にお断り申し上げておきますが、本巻あたりからストーリーの展開が妙に急ぎ足になり、腑に落ちない部分が多くなってくる感があります。
この辺り、作者自身による当初からの予定なのか、はたまた編集サイドによる方針なのかは分かりませんが…正直、今までのファンが離れていくのではないかと心配になってしまいます。

特に、今年7月に実写映画の上映が予定されていますが、昨年上映された同じヤングジャンプ掲載作品である「テラフォーマーズ」が酷評の嵐に晒された事によって、改めて漫画作品を実写映画化する事の難しさが問われたばかりです。

ワタクシは、この「:re」が最悪の終わり方、すなわち「映画も不評、本誌連載もファン離れによる掲載順位後退」で、伏線を回収しきれないままに最終回を迎えてしまうのではないか…と、嫌な予感を抱かずにはいられません。

さて、気を取り直して…

本巻では、それまで存在を知られながらも詳しい事が描かれてこなかったドナート・ポルポラが遂に動き出し、ピエロ集団が必ずしも旧多を首領とした一枚岩ではない事をも示唆しています。
場合によっては、旧多とドナートの決裂もあり得るかも??

そんなワケで、本巻最大の見所は瓜江とドナートの対決、「そして感情の交錯」の場面でしょうか。
いや、ドナートの赫子の形状がカッコイイんですって、ホントにww

【Costume players】

第11巻



【解説】
瀕死の真戸 暁を救うべく、CCGの研究所に忍び込んで「Rc抑制剤」の奪取を敢行した金木達は、そこに流島で駆逐された筈の亜門 元上等の姿を見る。
滝澤と安久(クロナ)の協力によって辛くも亜門を取り押さえたものの、CCGの中で何らかの陰謀が渦巻いている事を如実に確信する。

一方、旧多一等の指揮によって各支部の防衛に成功したCCGは、局長代理であった和修 政が行方不明になった事もあり、議論を待たずして旧多を新たな局長として祭り上げる。
新局長に就任した旧多(和修 吉福)はQsの後継部隊である「オッガイ」を擁立し、過去最大規模の熾烈な喰種殲滅作戦を展開する。

【感想】
いよいよ、ストーリーが終盤に向けて大きく詰まってきた感がありますが、しかし、依然として謎は謎のまま残っている部分もあり、相変わらず展開は読めないままです。

いや、もう少し正確に申し上げると…

「謎」というよりは、他の部分と整合性の取れない「不自然な部分」がアチコチに散見されて、我々読者は、その不自然さを腹の中に抱えたままでページを捲っている…というのが本当のところではないでしょうか。

えーと、少しまとめてみましょうか…

【現時点まで残っている謎】
・董香が病院に居た理由
・「へのへのもへじ喰種」スケアクロウの正体
・絢都がコクリアのカードキーを入手した経緯
・エトの生死
・柴医師が言いかけた、六月のRc値

【謎というよりは不自然な部分】
・同じく「白日庭」出身であるQsのシャオに対して、有馬や旧多が特に接触していない事
・シャオ自身も、旧多の素性に関して特にQsのメンバーに話していない事
・旧多が「客員研究員」としてCCGに迎えた嘉納に対して、宇井以外は特に異議を唱えておらず、問題視されていない事

はてさて、これらをどうやって収拾するのか…

ともあれ、本巻最大の見所は「過去最高にカッコイイ、才子」です!!
いや、ダジャレじゃなくてホントにww

【Costume players】


第12巻



【解説】
Qsの量産後継部隊「オッガイ」の強襲を受けてアジトの一つを失った金木たち「黒山羊」の面々は、地上のアジトを放棄して文字通りの「地下」に潜伏する事を決断する。

しかし、間髪入れずしてオッガイ隊のメンバー、葉月 ハジメによる単独の侵入を許してしまった金木は、これを捕えはしたものの、かつて董香の友人であった小坂 依子が「喰種隠避」の容疑によってCCGに拘束され、近日中に処刑される予定である事を知る。

小坂 依子を救出しに行くか否かで逡巡する金木であったが、「黒山羊」全体の存亡が懸かった「食料確保」の為の大遠征を前にして、遂には決断できぬままに遠征当日を迎える。

【感想】
さーて、本巻は冒頭のバトルシーンが最大の見所であります!!
(いつもより多いネタバレ御免!!)

喫茶店「:re」にて、恩師と念願の再会を果たした六月 透。
しかし、喜びも束の間、CCGに戻るつもりはない事を金木(いや、佐々木か…)からハッキリと告げられて、意を決したように斬り掛かる六月。

そこに割って入った董香と繰り広げる、凄まじいスピード描写の「女の戦い」たるや!!

この東京喰種という作品は、無印時代も含めて戦闘シーンの中にも一定の「間」がある事が多く、実は、息つく間もないハイスピードバトルというのは意外に少ないんですよね。

それを、更に意外なる二人が繰り広げてくれたものですから、個人的には、本巻はそれだけで大満足…といったところです。

【Costume players】

実写映画化について

えーと、昨年に制作開始が発表され、その後、出演女優さんの問題行動が世間を騒がせた実写映画ですが…
ワタクシは「実写化はヤメてくれ派」だったので気は進みませんが、興味がある方の為に少し言及します。


【ダイジェストムービー】

誤解の無いように申し上げておきますが…
ワタクシは、漫画やアニメ作品の実写化そのものに反対しているワケではありません。
なにしろ、過去には「るろうに剣心」のような顕著な成功例もありますので。

しかし、この東京喰種という作品の実写化に関しては、以下の二つの理由を以って反対せざるを得ません。

①CG処理があまり必要ない作品ならまだしも、本作の場合、赫子(かぐね)の質感や動きを再現する為のCG処理には「ハリウッド級」の技術が要求される事が容易に想像できたので、制作予算によっては「とても見てはいられない出来」になる恐れがあった。
(ダイジェストムービーを見る限り、やはり微妙でした)

②昨今の傾向として必ずと言ってよいほど、熱心なファン達の手による人気作品の「コスプレ」が披露されるが、その中には、本当に原作キャラそっくりの人達が少なくない。
ところが、実写映画に起用された俳優陣が原作キャラにあまり似ていなかった場合、「プロの役者よりも、素人のコスプレの方が原作キャラに似ている」という本末転倒な結果になりかねず、その事が原作の雰囲気や世界観を大きく損なう要因となる。
拙者
まっ、今後は漫画やアニメの実写化に関しては、もっと慎重にファンの意見を汲んでからにした方がよろしいのではないかと…

アニメ第三期放送決定!

2017年10月5日本日、作者である石田スイ先生が、ご自身のTwitterアカウントで重大な発表をなさいました!!

なんと!!


本作「:re」のアニメ化決定です!!

って…
いやいや、ちょっと待って下さいよ??

もちろん、歓迎は歓迎なんですけど…
アニメ版の第二期「√A」に於いて、ヒデと亜門 鋼太朗は死んでしまった筈では…??

はたして、その辺りをどう調整するのか…
まぁ、兎にも角にも観てみないと分からないですね(´∀`;)ゞ

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16 comments

アニメ化が決まったのですね!
どのような内容のものでも。アニメ化が決まるというのは、素敵な話ですね!

これからの展開がとても楽しみです!

アニメ見たいです!

reアニメ化するんですね。
先週の展開が急すぎて明日が楽しみ。


フッキーです。
今まで観た事がなかったのですが、この機会に読んでみたくなりました!!

東京グール大好きです!実写化映画、どのような完成度なのか気になってしまいますね...

>匿名さん

いやー、実写化映画の方は、ちょっと厳しいと思いますよww
なにしろ、原作ファンの意見が全く反映されていないので…

>フッキーさん

はーい、原作の方は文句なく面白いので、この機会に一冊でも読んでみて下さい!

>匿名さん

確かに、先週の展開はTwitter上でも大議論を呼びましたねww
明日は、どうなる事やら…

それに、回収されていない伏線もいくつかあった筈なので、最終回までに明らかになればいいんですけどねぇ…
まぁ、作者はドSなので、なかなかファンの思惑通りには話を進めてくれませんがww

>匿名さん

はい、来年の楽しみが増えましたね!!

実写版は敢えて観ませんでした。制作中からいい評判は聞こえてきませんでしたから。
アニメ第三期放送に、期待が膨らみます。

>MASHさん

漫画作品がアニメ化する際に必ず議論を呼び、そして大勢が納得する決着を見た事が無い要素の一つとして、
「原作漫画が在ってこそのアニメなのだから、徹底的に原作に忠実にすべし」
「いや、せっかく違うメディアで表現するのだから、原作とは少し違った表現や演出があっていい」
などと、正反対の意見が対立する事が挙げられるんですよね。

ワタクシ自身は「終わり良ければ全て良し」という中庸派なのですが、どちらかと言えば、原作に対する忠実さを求める人達の方が頑固な傾向があるかと思われます。

まぁ、そうは言っても、制作側も限られた予算と時間の中で作らなくてはならないわけですから、本当に全てのファンを納得させられるものを作るのは、やはり難しいと思います。

なので、一人のファンとして、肩の力を抜いて行く末を見守ろうと思います。

>you79さん

あー、ワタクシも全く同意見です!
まぁ、実写化であれアニメ化であれ、もう少し慎重に原作ファンの意見を汲んでから作ればいいのに…と思いますね、正直。

原作大好きなので、実写板をみる勇気がでません〜
原作とは別物としてみれば楽しめるんでしょうか・・・
ひとまず!
アニメのほうがどういう展開になるのかを楽しみにしておきます♪

東京グールが実写映画化と聞いて『ないなぁ』って思いました…
そもそもアニメや漫画の実写化には抵抗があるので
どちらかといえばやめて欲しいですね!

でも金木くん役が窪田さんということで、
今までの演技を見ていると窪田さんには期待できるかな?と思いましたね(^^)

前々から思っていたのですが、漫画やアニメを、なぜ実写化するのですかねえ?
原作が面白いと、集客できるということなのでしょうか?
必ずイメージと違うキャラクターなどが出てきたりして、ファンをガッカリさせますが…。
アニメのほうを安心して見たいと思います。

>匿名さん

あ…そうですね…
「別物」として観るのが、最も心穏やかでいられる方法かもしれませんねぇ…


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